From:南 憲司
自分の事業の中で、個人のお客様から不用な切手を
買取って業者さんに販売する業務がある。
郵便切手は、50年ほど前に収集ブームがあり、記念切手の
発売日になると、買い求めるお客さんで行列をなしたそうで、
購入して直ぐにプレミアムが付いて高く売れたので、郵便局と
なんらかの繋がりがある人は、最初に多くとりおさえて、自分の
お店でプレミアム乗せて販売して、かなり儲かったそうだ。
そうして購入した切手も今ではプレミアどころか、額面の
50%から80%で買取となっている。
その殆どがコレクションではなくて、郵便切手の実需の使用に
使われることになる。
切手のコレクションとしての需要と供給のバランスが当時と全く変わっている、
ということになる。
この、中古郵便切手を使いながら、業界の地位や、拡大をつくった
伝説の先駆者と言われる方にお会いしたことがある。
この方は、サラリーマンのときに郵便物の担当であった。
この時、郵政省が作った郵便物に関する、料金規程の分厚い冊子を
隅から隅まで精読し、どのような区分に分けてまとめて出せば、
割引がきくのか、どこの郵便局から送れば割引になるのか、
さらに、安く仕入れた中古切手を使用して支払うことが出来るのか、
など、最適の方法をシステム化し、単なる中古切手販売業ではなく
郵便物に関する総合コンサルティング業として全国に立ち上げて、
個客も役所、銀行をはじめとして、学校、通販会社など全国規模で
郵便物を送るところに及んでいた。
当時、切手を半額で買い取って使えば50%のディスカウントが
可能だったので、お客さんが20%の割引、自分が利益30%取れた
銀行などは1カ月に1000万円使うところも珍しくないので、瞬く間に
グループが全国に拡大したそうである。
そうした中、郵便料金が何度も改訂されて、郵便切手で支払うことが
できる郵便物が適用される範囲が一気に狭まっていき
急激に切手だけでは、そこまで儲からなくなってしまったそうである。
ゆうメールが出来たりヤマトや佐川がメール便を開発したり、
郵便局自体も分割民営化したりして、郵便の環境は激変してきている。
今年の末で、今まで使えていた切手の大口の使用法が使えなくなることに変更された。
こういったことで事業環境は激変する。
需要と供給のバランスが崩れて、売れる物が売りにくくなったり
価格が大きく下がって儲からなくなったりする。
長い目でみるとかならずこういう事は、あり、市場自体が無くなることも珍しくない。
変化は常に起きている。
事業者は変化に対応できるようにしなければならない。
#複業 #起業 #名古屋
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